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「音楽業界のシステムエンジニアって何をする?」
成長するサブスクリプション配信の裏側を支える
フェイス・グループ システム開発チームの想い

音楽業界のシステムエンジニアというとどういう仕事内容をイメージしますか?
今回は、音楽業界のシステムエンジニアが実際にどんな仕事をしているか、実際のサービスを担当するサーバーサイドエンジニアに質問しました。

  • hiratake
    2015年中途入社
    サーバーサイドエンジニア

    システムエンジニアとしてインフラ、ミドルウェア、DB、アプリケーションの設計から実装。マネージャーとしては開発チームの監督や人員管理、予算策定等を担当。

  • shiba
    2019年新卒入社
    サーバーサイドエンジニア

    システムエンジニアとして、機能単位での設計やコーディング業務に従事。
    主に楽曲情報の登録機能や、DSP(配信サイト)向け納品データの生成機能を担当。

― まずは、お二人が担当している『Music Data Bank』(以下 MDB)について、どのようなものなのか教えてください。

hiratake:『MDB』はわかりやすく言うと「レコード会社が音楽配信の際に楽曲を管理するプラットフォーム」になります。
レコード会社がアーティストの楽曲を販売する際、大きく分けて「CDパッケージの商品」と、「定額制のサブスクリプション配信サービスでリリース」する2つの手段があります。
音楽配信業者(Digital Service Provider以下DSP)には例えばApple MusicやSpotify、LINE MUSIC他たくさんありますが、『MDB』はレコード会社(やアグリゲーター、ディストリビューター)が音楽配信をする時に各DSPへスムーズに楽曲が配信できるようにサポートをするツールになります。

― なるほど。音楽配信をする時に、レコード会社がしなければいけないことってどんなことがあるんですか?

hiratake:今音楽のDSPは約50サービス程あるのですが、各サービスによって配信するまでの作業内容が違います。音源データの保存形式からジャケット写真の画像形態、メタデータ(楽曲に埋め込むデータ)形式まで、各社それぞれの指定があるのですが、それをレコード会社がひとつひとつ手動で登録していくと気が遠くなるような時間がかかります。
『MDB』では一度楽曲を登録すると、DSPそれぞれの登録内容に変換して情報を登録し、配信できる状態まで一括で管理をすることができます。

shiba:例えばSpotifyで楽曲配信した場合は、日本だけでなく世界中に配信されます。DSPによって配信している国が違うので、楽曲情報の表示の仕方など細かい内容を手動でやるのはとても大変な作業になりますが、『MDB』を使うと一度の登録でその楽曲を世界中に配信できるようになります。

― 手入力により、ミスやトラブルが発生すると大変なので一度でいいというのはとてもいいですね。楽曲の登録や管理以外にできることは何ですか?

hiratake:楽曲配信をしてユーザーが再生すると、再生毎に売上が発生します。CDであれば売上が発生するのは購入された時のみとなりますが、配信では1ユーザーの再生回数毎に応じて売上が発生することになります。
楽曲には詩や曲の著作権者がおり、1再生毎の売上から原盤使用料(原盤印税)を分配しますが、『MDB』に登録した楽曲は売上管理をはじめ、再生された国の為替レート別に原盤使用料分配データが作成管理できるなど、売上分配のデータ管理ができます。

国内のCD販売でも原盤使用料の管理は大変ですが、さらに世界中で配信されるデジタル楽曲の原盤使用料の分配データを一括で管理することによって、レコード会社での業務を効率化する裏方の仕組みですね。

shiba:あとは、レコード会社にとって音源データを保管しておけるというのも大きいと思います。例えば最初は5つのDSPで配信していた楽曲を10のDSPに拡大して配信するという時に、『MDB』に一度登録し、保管されている楽曲であればすぐに配信準備をすることが出来ます。音楽業界はアナログな部分も多く、大きいレコード会社から小さなディストリビューターまでいろんな立場の人が音楽配信に関わりますが、音源データをハードディスクに保管しているというところもあるので、『MDB』でサーバー管理ができればもっと音源データを活用していけるのではないかと思います。

― では、『MDB』でのお二人の業務内容を教えてください。

shiba:私たちサーバーサイドエンジニアは、楽曲をDSPのネットワークに送ったり、実績データを受け取ったりする際の保守管理をしています。
具体的には、ある楽曲を国内外の10のDSPで配信するという場合、レコード会社が登録した元データから配信する10DSP用のデータを出力するところまでをサーバー上で管理しています。そうして出力されたデータを各DSPに納品することで、指定した日時から実際に配信が開始されます。

hiratake:僕は『MDB』開発チームのとりまとめをやっています。
フェイス・グループには日本コロムビア、ドリーミュージック、KSRというレコード会社、音楽配信のアグリゲーターとしてライツスケールという会社が一番身近にあり、『MDB』を使う側の声を直接聞くことができるので、ユーザーの顔が見えるのはエンジニアとして良いなと思っています。

音楽配信の未来にシステムエンジニアがやりたいこと

― サブスク配信はいつの間にか私たちの生活に浸透していたという感じですが、『MDB』は今後どのようになっていくのでしょうか?

hiratake:僕の中で『MDB』で到達したいと思っている山頂から見て、今は五合目くらいまで来たかなという感じです。頂上に向かう中で、まず『MDB』上で管理している楽曲データや蓄積されているDSPの実績データをもっと詳細に分析できるようにしたいです。
さらに、その分析データを使いつつ、もっと多岐にわたる楽曲やアーティストのプロモーションなども幅広くできるようにしたいですね。
著作権管理にしても、もっと『MDB』がきめ細やかにできる部分があると思うので踏み込んでいけたらと思います。
近年の音楽販売はCD販売から、曲単位でのダウンロード販売、そして定額制のサブスクリプション配信に遷移したのが日本では2015年からなのでまだ10年弱ですが、常に変化しながら成長をしているサービス領域なので、裏側で支える僕たちも変化に対応していけるようにしたいと思っています。

shiba:今は各DSPに向けたそれぞれのフォーマットにレコード会社が合わせた対応をしていますが、音楽業界全体でフォーマットを統一しようという流れもあります。そういう流れをきちんとキャッチして、『MDB』側に反映してさらに使いやすく便利にバージョンアップしていきたいなと思います。

完全リモートワーク。コミュニケーションはどうしてる?
気になる働く環境は?

― ここからはフェイス・グループのシステムエンジニアについて教えてください。
働く環境や雰囲気はどうでしょうか?

hiratake:基本リモートワークなので、自宅で仕事をしています。コロナ禍でグループ全体が一斉リモートワークになり最初は混乱することもありましたが、今ではその生活に慣れて不自由なこともないですね。あとはチャットツールを使ってフェイスや日本コロムビアなどグループ会社内でコミュニケーションを取っていて、出社しなくても問題なく働けています。

shiba:毎日朝のオンラインミーティングをしているので、コミュニケーションはきちんと取れていると思います。年齢関係なくコミュニケーションが取りやすいので、わからないことがあって質問する時などでも気兼ねなく誰にでも聞いています。あと、みんな勉強熱心なので業務の中で先輩と一緒に新しい技術を学んでいけたりするのもうれしいです。

hiratake:フェイスのシステム開発って新しい技術を取り入れることにとても寛容で「こうじゃなきゃいけない」というのがあまりないんです。だから自分が新しく使いたい技術があったとして、それをみんなに「こういう風に便利になりそうだから使いたい」と説明していけば「じゃあ使ってみよう」ということになります。僕はいろんなものを試していって、自分が携わるものをもっと良くしたいと思うタイプなので、その点もとてもうれしいですしその環境でやれているので、毎日「楽しい」と思いながら業務ができています。

shiba:僕は学生時代から「システムエンジニアになりたい」と思っていて、元々音楽が好きだったので「音楽に関わるシステムエンジニアの仕事」がしたくて入社しました。
実際にシステムエンジニアとして楽曲に触れ、配信している世界中のDSPでの反応を見たりすることができ、音楽業界ならではのシステムエンジニアの仕事って貴重な経験だなと思います。

―「楽しい」と思いながら働けるのっていいですね。チームをまとめるhiratakeさんがそう言って仕事をしているのが、チームに伝播しているのかもしれませんね。

フェイス・グループのシステムエンジニアに向いているのはどんなタイプ?
一緒に働きたいのはこんな人

―音楽業界のシステムエンジニアの仕事ってなかなかイメージしづらかったですが、『MDB』の例でとても理解ができました。どんなタイプの人が向いていると思いますか?

hiratake:特に新しい技術をどんどん取り入れたいという人は向いていると思います。あとは、まさに成長期のサービスに関わるので、こんなことがやりたいなと企画的な発想を持っている人と一緒にいろんなアイディアを出しながらやりたいですね。

shiba:あえてポテンシャルのところで言うと、『MDB』では売上の著作権者への分配データ出力などもやっているので、経理や会計的なシステムに関わっていた人も結構いい経験が出来ると思います。

hiratake:あと、出社する会社が増えていると聞きますが、僕たちは完全リモートワークから変わらないので、プライベートも仕事もバランスよくやりたいという人も合っていますね。
やることをやっていれば、休みを取るのに気兼ねもいりません。


取材後記
上司と部下という関係性ながら、とてもフラットに会話をしているお二人が印象的でした。これからどんどん成長していくだろう音楽配信サービスについて、勉強熱心に情報収集し、日々奮闘しているにも関わらず、「楽しい」というhiratakeさんに、頷くshibaさん。チームの穏やかな関係性が伝わるインタビューとなりました。

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