株式会社フェイス

Face to Faith

エンジニアが語るフェイスのコーポレートアイデンティティ

エンジニアが語るフェイスのコーポレートアイデンティティ

エンジニアとして入社、その後、プロジェクトマネージャー、企画、プロモーション、営業と多岐にわたる実務を経験し、第2子出産後、改めてエンジニアとして復職したKomiso。直近では、ライブ配信プラットフォーム『Thumva™(サムバ)』のほか、『音楽回想法』アプリなどの立ち上げに関わる。結婚・出産を経て、働き方を変えながら活躍を続けるエンジニアの想いの中に、フェイスのコーポレートアイデンティティを探る。

Komiso
  • 株式会社フェイス
    グループ開発本部
  • Komiso
  • 2005年 中途入社

宇宙工学から音楽・動画配信プラットフォームエンジニアの道へ

大学では宇宙工学を専攻していました。卒業研究は「月に生命はあるか?」、つまり「宇宙人はいるか?」だったんです(笑)。学生時代に、旭硝子(現・AGC株式会社)の研究所の光ファイバーの研究チームでアルバイトさせていただき、「これからは通信の時代だよな」という予感があり、携帯電話やPHSなどハード制御周りの組み込みエンジニアの道に進みました。前職では、機械とソフトウェア間の制御システムを手がけていましたが、転職を検討し始め、子どもの頃から好きだった音楽や映像の領域で、これまでの組み込み系技術を生かせる仕事ができないかな、と考える中で出会ったのがフェイスでした。
入社時は、着信メロディのソフトウェア・シンセサイザー開発チームに入って、サムスン端末のMIDIをMP3に変換する技術搭載等を担当しました。当時は、北米に子会社「Faith West Inc.」を設立、フランスでは音楽配信技術開発会社「Digiplug S.A.S」の子会社化と、海外展開を広げていた時期だったこともあって、フランス子会社のソフトシンセのエンジニアチームに知識を共有して、ノキア端末向けに着メロを組み込む仕事等もやりました。その後、「ポケメロ(ポケメロ JOYSOUND)」チームに異動し、プロジェクトマネージャーに転向。しばらくエンジニアの仕事から離れていましたが、第二子出産後、復職してからはプロマネの業務が難しくなったため、希望してエンジニアに戻してもらい、現在に至ります。近年では、フェイス自身がサービス提供者としてフロントに立つビジネスも増えましたが、「ポケメロ」をサービス展開されている株式会社エクシングとの関係性に代表されるように、今でも音楽配信のベースを支える、縁の下の力持ち的な存在の会社であるという認識のもと働いています。

エンジニアが語るフェイスのコーポレートアイデンティティ

企業理念「あるものを追うな。ないものを創れ。」の体現

今まで数多くの新規サービスを立ち上げてきましたが、中でも近距離権利認証(NFRM:Near Field Rights Management)技術開発に参画できたことはすごく印象に残っています。NFRM とは、FeliCaや赤外線等の身近な近距離通信機能を使って、携帯電話サービスで購入した映画などのコンテンツをPCやテレビでも楽しめるというもので、私は、インテルのCPUを使ったPC側のアプリ開発を担当し、当時、国内で販売されていた全PCにプリインストールされました。今はスマホで購入したコンテンツをPCやテレビで見ることのできるサービスは普通にありますが、iモード全盛期の2007年当時は動画配信サービス自体がまだほとんどなかったのと、携帯からパソコンやテレビに繋いで見るという発想は具現化されていなかったので、かなり面白い試みだったなと思っています。2020年にローンチしたライブ配信サービス『Thumva™』も、若い精鋭メンバーがいろいろな部署から集められて、一気に立ち上げたのですが、すごく当時のことを思い出しましたね。とてつもなくフェイスっぽかったというか、「面白いことやろうぜ!」となった時の結束力と「ここはスピード勝負でいこうぜ!」という時の瞬発力のすごさは圧巻で、「定期的にくるお祭りきた!」みたいな感じでワクワクしたし、久しぶりにフェイスらしさを体感しました。
他にも、現在はクローズしてしまいましたが、今や世の中のスタンダードになったウェブ連絡帳サービスをローンチさせたことも印象深いです。幼稚園や保育園で習ったり歌っている音楽の情報や日常の様子などを保護者と共有できるサービスだったのですが、そのまま続けていれば、今頃はかなり良いサービスになっていたのではないかなと…、ちょっと残念な気持ちはありますね(笑)。
あとは、主に高齢者の方を対象とした『音楽回想法』アプリのプロジェクトにも思い入れがあります。『音楽回想法』アプリは、対象となる方の年代、属性などに合った思い出の曲の選曲を可能にするフェイス独自の機能と、短くテンポよく次から次へとメドレー式に音楽を切り替えていくフラッシュソングセラピーの手法を取り入れた、脳の活性化を促すサービスで、こちらは現在も提供中です。アプリ開発にあたって、いろんな方にお話を聞かせていただく中で、認知症が進み、実の娘さんのことがわからなくなっている方でもピアノが弾けたり、好きな曲を歌った後に見違えるほど表情が生き生きしたりするのを目の当たりにして、音楽が持つ力の偉大さを改めて実感することができました。また、自分が子どもを持って、童謡を含め、幼児向けの体操やお遊戯などに、本当にたくさんの日本コロムビアの楽曲が用いられていることにも気づきましたし、子どもの保育園の発表会で使われた曲の歌声に聞き覚えがあるなと思っていたところ、『音楽回想法』でサンプル曲を歌ってくださっている方だったなんていうこともありました。その時には、日本コロムビアが有する音楽的資産がすごく身近なところ、人々の生活に広く浸透していることに感じ入りましたし、改めて「これからも音楽に触れられる機会を増やして、人々の気持ちを豊かにできる、『これまでにないもの』を創っていけるといいな」という想いを持つ機会になりましたね。

エンジニアが語るフェイスのコーポレートアイデンティティ

“フェイスらしさ”を考える
エンジニアにも企画力が求められる環境

フェイスでは、定期的に文化祭っぽい周年イベントが開催されます。創業15周年(2007年)の際には、社長をはじめ役員の人たちによるバンド演奏に加えて、社員による合唱団も結成されて。土曜日に集まって練習したりして、準備期間には、「時間がない中で、どうしてこんなことやらなくちゃいけないんだ!」みたいな気持ちにはなるんですけど、終わったら、すごくいい思い出になっているという。まあ、こういう取り組みが、結果として、同時に違った大きなことを走らせる胆力とか、結束力の高まりに繋がっていたりするんじゃないかなという感じはします。
フェイスに入社した当初は、変わった会社だな、本当に変な人が多いなというイメージでしたね(笑)。エンタメ好きな人が集まっているのも特徴だし、エンジニアも開発だけやっていればいい、作って渡せばいいっていう会社ではないのも面白いところです。開発を進めていく中で、「この見せ方じゃわかりにくい」と感じたら、意見を反映させることもできるし、企画や発想の面でもかなりサービスに関われるし、エンジニアがサービスを立ち上げてもいいので、そうした志向のあるエンジニアにとってはすごく魅力のある職場だと思います。
エンジニア枠で入社した私ですが、プロマネ、企画、営業、プロモーションとエンジニア以外の仕事に10年くらい携わってきて、ブランクがあったにもかかわらず、「エンジニアに戻りたい」という希望も受け入れくれる会社も珍しいのでは(笑)。もちろん責任は持たされますけど、やりたいって手を挙げれば、経歴等に関係なく、挑戦させてくれる自由度の高い会社だな、と。それは裏を返せば、自分でやることを見つけたり、提案したり、自ら手を挙げることが強く求められる会社であると思います。今回の『Thumva™』の立ち上げも、若手スタッフが責任を持って進めてくれて、この世代にここまで幅広く仕事を任せるのもフェイスらしいなと。足りないパーツを補強するというのではなく、いろんなことができる人材が育ちやすい環境にあるというか、多分、推進しているプロジェクトに対して、関わっている人数が少なくて、いわゆる少数精鋭。一人ひとりが自分は何をするべきかを認識できているのだと思います。できる人ができることをやる、やっているうちにできることが増える、そういうベンチャー気質的なところが、ずっと変わらない特徴的な社風であり、その時々の若い世代にも受け継がれているように感じます。一人が、複数の業務・機能に跨って仕事するというのは、幅広い経験値が個々人の中に蓄積されることでもあって、結局、人間力みたいなところにつながってくるし、その人間力の積み重なりが組織力を強化させているのかな、と思っています。

エンジニアが語るフェイスのコーポレートアイデンティティ

自分の生き方ともシンクロする「5つの行動指針」

改めて考えると、「5つの行動指針」の中では、「創造」を一番大事にしてきたという感覚です。新規事業の立ち上げに関わらせてもらうことが多かった中で、「どこが他と違うのか」「何が面白いのか」を常に意識してきたな、と。画期的な技術要素を使って、新しいものを創ってきたというよりは、今ないもので、自分自身があったらいいな、すごく便利だなと思えるもの、世の中にありそうでなかった発想を形にするという観点を盛り込むことを大事にしてきました。音楽って、生活になくてはならないものではないかもしれないけれど、あることで人の心を豊かにするものだから「音楽と触れ合う機会を創出し、人の心を豊かにするサービス」を創ることを心がけています。
また、「協力」「信頼」については、自分の生き方や振る舞いそのものに通じるかもしれないですね。自分の不得意なところは得意な人に任せ切る姿勢や、上の人にも下の人に対しても、どちらが偉いかとかではなく、やることやってくれているか、尊敬できるか、という視点で、対等に接するのが私らしいかな、と(笑)。
フェイスは、本当にいろんなことをやらせてくれるし、チャンレンジをさせてくれるし、サービス全体を見られるのも楽しいし、面白味のある仕事ができる会社です。私自身、2人目の子を出産した後は、制約があっても業務の調整がしやすいエンジニアとして復職しましたが、時短勤務やフレックスタイムを利用して、育児との両立に支障が出ないように配慮してもらっていましたし、子育て世代に対する理解はすごくありますね。ちなみに、第一子を出産して復職した当時の上司が、産休・育休を経て復職した第一号の女性(現在のグループ人事部長)だったため、少しずつ体制を整えてきてくれた、ということはあります。今では育休後に復職している女性スタッフも多くなったので、気負いなく仕事を続けられるいい環境だと思います。
ただ、ここまで自然体で長くフェイスにいますけど、絶対にこれからもここに居続けようとか、今の立ち位置に対する固執はしていないんです。常に、自分はここじゃなくても、新しいことに臨めるような可能性も残しつつ、会社とも対等な立場というか、依存や執着の関係にはないことが、私にとっては居心地の良い働き方です。私は会社のためにではなく、自分を楽しむために仕事している節があって(笑)、そういう自分らしい自分でいられるというところも含めて、なんだかんだ言ってフェイスのことが好きなんだと思います。

これからの時代に、フェイスができること、すべきこと

コロナ禍であまり出かけられずに、ずっと家の中にいるのは精神的にも堪えますし、そういう意味では、この大変な時代だからこそ、以前よりも音楽がもたらす価値の重要性が高まったんじゃないかなと感じています。もともとフェイスは、「音楽を届ける」ことをメインとしたビジネスを展開してきましたが、さらに本領発揮すべき時にきているな、と切に感じています。コロナ禍になって、『Thumva™』をはじめとするライブ配信サービスや、自宅で楽しめるさまざまなサービスが一気に登場してきて、従来、子育て中の人や病気を抱えている人など、外出に制限を感じている人たちでも楽しめる機会が増えたし、そういう環境が育ってきて、より音楽を届けやすい状況に変わってきたのではないかなと思っています。
私の周りは、まさに子育て中で基本的に夜に外出できない人が多いですが、そういう人たちにとっては、配信でライブを楽しめるサービスが普通にある状況になって、いろんなアーティストや地方開催のイベントが見られるのは、すごく嬉しいことなんですよね。先日、私自身も『Thumva™』で配信された「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」のライブを子どもたちと家で楽しみました。さすがに「Creepy Nuts」のリアルライブの会場に、幼稚園と小学生の子どもたちを連れては行けないから、こうして配信ライブを観られることで、かえって楽しめる機会が増えたんですよね。一度、こうしたサービスが立ち上がったら、コロナ禍が終わっても、物理的に制約がある人たちからのニーズは続くと思いますし、アーティストさんたちも回を重ねるごとに配信での見せ方を進化させているので、リアルライブとは違う楽しみ方をもっと提案できるサービスにしていけるのではないかとの想いでいます。『Thumva™』のリリース当時は、グループ視聴しながらコメントし合えるっていう機能があるサービスってなかったんです。同じ場所に集まれないからこそ、違う場所にいながら共感でき楽しめる場を提供することにこだわって、その機能を搭載しました。特に、ライブにおける空気感の共有というか、リアルタイムな共感を作ることの意味はとても大きいと思っていて、これからもその視点は大事にしていきたいと思っています。
リリース後の反響はもちろん気になるし、サービスを使ってくれているシーンに遭遇したり、知り合いに「使ったよー」って言ってもらえたりするのは本当に嬉しいし、エンジニア冥利に尽きる瞬間ですね。リリース直後は、不具合なく、安全に、っていう方にかなり意識が向いちゃいますけど、その次の段階として、実際に使ってくださった方からの意見を反映して、もっといいサービスにするために、どういう機能を足していけるかを考えるのもまた楽しい時間です。これからも、音楽配信のベースを支える技術を創ってきた会社、音楽のプラットフォームを提供する会社として、もっと多くの人に、音楽を届けていきたいと思っています。

フェイス・グループ行動指針

CREATE / 創造
社会を豊かにする独創的なアイデア。
CHALLENGE / 挑戦
新しいことにスピード感をもって取り組むチャレンジ精神。
COLLABORATE / 協力
グループ内外のさまざまなパートナーとの協力・協業。
FAITH / 信頼
人と人、企業と社会とのつながりを尊重する。
NEUTRALITY / 中立
特定分野・業界にかたよらず、常に視野を広げる。

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